堂安律→時間、小林祐希→怖さ。
オランダ開幕戦で見えた足りないもの

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 堂安の動きがよくなり始めたのは53分。センターFWのラルス・フェルトワイクのゴールで1-2とし、チームの反撃ムードが高まったあたりだろうか。相手とのデュエルに競り勝ち、パスも受け手との意図が合うようになって、試合の流れにも乗り始めてきた。

 しかし、無情にもアーネスト・ファーバー監督は63分、堂安をベンチに下げて体格のいいFWトム・ファン・ウェールトを投入する。その後、フローニンゲンは2度も追いつく粘りを見せて3-3で引き分けたのだから、堂安も「チームが同点に追いついてくれたので、感謝したいなと思います」と交代策に納得するしかなかった。

 試合後、ヨープ・ハルというフローニンゲンOBの解説者に、堂安の印象を聞いてみた。

「ボールを持ったときのプレーには才能を感じるが、その才能を発揮するには時間が必要だ。まだ19歳。しかも彼は、オランダから2時間の距離のチェコから来たわけじゃない。もっともっと遠い国から来たんだ。慣れるのに時間がかかるのは当然のこと。今日は相手の右サイドバックにスペースを与えてしまった。相手ボールのときの動きをもっと改善しないといけない。でも間違いなく、私たちが堂安のプレーをエンジョイできるようになる日は近いだろう。今は我慢だ」

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る