堂安律→時間、小林祐希→怖さ。オランダ開幕戦で見えた足りないもの (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 本田の最初のシーズンは2部降格という苦い結果に終わってしまったが、翌シーズンはキャプテンとして圧巻のパフォーマンスを披露した。チームを1部リーグ昇格へと導き、その後も大活躍を見せる。今季の選手名鑑のVVVのページにも、「誰が"NEWホンダ"になるだろうか?」というテキストとともに本田のシュートシーンの写真が掲載されていた。

 つまり、オランダメディアは堂安に対して、小野・本田というオランダ人から愛された日本人レジェンドを継ぐ才能とキャラクターを持っている、と期待しているわけだ。

 堂安はプレシーズンマッチでその才能の片鱗を見せつけ、予想どおりにオランダリーグ開幕戦のスタメンの座を勝ち取った。だが、公式戦の難しさは想像を上回るものだった。ヘーレンフェーン戦で63分プレーした19歳の若武者は、試合後に「雰囲気もよかったので楽しめました」というコメントを残したが、そこに笑顔はなかった。

 堂安のプレーを見ていて感じたのは、「試合に入り込めてなかった」ということ。テレビスタジオの解説者たちも、「堂安は存在感がなかった」とハーフタイムに感想を述べていた。堂安は相手ディフェンダーを背負ってパスを受けても潰されることなく、しっかりとマークをかわしながらターンし、前を向いてパスを出すところまではよかった。だが、そこから先の呼吸が味方とまったく合っていなかった。

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