60分走り切る。岡崎慎司が開幕戦ゴールを
引き寄せた「逆転の発想」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 献身的な守備をベースに、ゴールも積極的に狙っていく姿勢は、8月11日に行なわれたアーセナルとの開幕戦でも随所に見えた。

 自陣のペナルティエリア近くまで守備に走ったかと思えば、チャンス時はラストパスを引き出そうと敵陣のペナルティエリアまで突っ走る。攻守の切り替えの速い試合展開のなかで、日本代表FWは90分という枠組みを気にすることなく、精力的にアップダウンを繰り返した。

 岡崎の言う「ゴールに向かっていく」動きで、チャンスも呼び込んだ。5分にはDFクリスティアン・フックスのクロスに合わせようとゴール前のニアサイドに突進。34分にもペナルティエリア内に入り込んで、フックスのクロスからヘディングシュートを放った。守備で貢献するだけでなく、攻撃面でも怖さを放ち続けた。

 こうしたアグレッシブな姿勢が実を結んだのが、5分のゴールであった。味方のヘッドの折り返しに、岡崎はするりとゴール前のニアサイドに侵入。身長が約10cm高いMFグラニト・ジャカに空中戦で競り勝ち、頭でゴールにねじ込んだ。背番号20のゴール嗅覚とポジショニングのよさが大いに発揮された得点だった。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る