ファンも認めたヘタフェ柴崎岳。リーガ開幕戦でスタメン出場濃厚に (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 50分、ゴール前中央でパスを受けた背番号10番は、俯瞰でピッチを見ているかのように相手DFの虚を突くスルーパスをホルへ・モリーナに送る。パスはわずかにずれてしまったが、通ればGKと1対1という場面を作り出すアイデア溢れるプレーは、スタンドのため息を誘った。

 そして前述の64分のプレーも生まれ、77分にカルデロンと交代した際には、柴崎をチームの戦力として認める大きな拍手がスタンドから送られた。昨日の敵は今日の友。昨季の所属チーム、テネリフェサポーターにしてみれば柴崎が活躍すればするほど歯がゆい思いをすることだろうが、ヘタフェサポーターにとっては、新シーズンの目標であるプリメーラ残留に向けてチームの攻撃にアクセントをつけることのできる大事な戦力として、日本人MFを認知した瞬間だった。

 リーガエスパニョーラ開幕まで残り1週間。普通で考えればチームのお披露目試合となったこの日の先発メンバーがサン・マメスでのアスレティック・ビルバオ戦で再現される可能性は高い。傍から見ても柴崎のパフォーマンスはとてもいいものだった。

 ただ、ホセ・ボルダラス監督は試合後の記者会見で、柴崎を高く評価するとともに課題も挙げている。

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