セビージャにガッポリ稼がせた敏腕SD
モンチが、新天地ローマに降臨

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 バルサはお得意様で、他にもアドリアーノ・コレイア、セイドゥ・ケイタ、イヴァン・ラキティッチ、アレイクス・ビダルをセビージャから売却している。バルサだけでなく、レアル・マドリード(セルヒオ・ラモス、ジュリオ・バチスタなど)、アトレティコ・マドリード(ケヴィン・ガメイロなど)にも多くの人材を供給。これらの取引によって、数百億円の"売り上げ"を計上している。

 スペイン以外のビッグクラブとの取引も活発だ。

 アーセナル(ホセ・アントニオ・レジェス)、マンチェスター・シティ(ヘスス・ナバス)、リバプール(アルベルト・モレノ)との取引は、いずれも下部組織出身選手を売却したもので、3人合計6300万ユーロ(約82億円)の利益を叩き出した。一昨シーズンは700万ユーロ(約9億1000万円)で得たカルロス・バッカを3000万ユーロ(約39億円)でACミランに譲り、昨シーズンは550万ユーロ(約7億1000万円)のグジェゴシュ・クリホビアクを3360万ユーロ(約43億5000万円)でパリSGに売り払っている。

 成長が見込める選手に対して、モンチは高額投資も躊躇(ためら)わない。2009年に1500万ユーロ(約17億円)でレアル・マドリードから獲得したFWアルバロ・ネグレドを、2013年には2500万ユーロ(約29億円)でマンチェスター・シティに売却した。まさに目利きと交渉力の賜(たまもの)だろう。

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