移籍騒動の原口元気が冷静に話す。「決まらなかったらヘルタに残る」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 現状はお互いに納得して、落ち着いているようだが、それは、いつまた昨季末のようになるかわからないということでもある。一方で、はたから見れば、契約延長を求められるのは光栄なことのように思える。だがそんな話を振っても、原口は苦笑いをするばかりだ。

 欧州の移籍ウィンドウは8月31日まで開いている。だが、原口はそれより少々早めの時期をデッドラインに設定している。

「開幕までに決まらなかったら、ヘルタに残ります」

 ブンデスリーガの開幕は8月18日、その1週間前にはドイツ杯も始まるから、その頃を想定しているのだろう。もちろん、その先にも何が起こるかわからないのがこの世界ではあるが。

 決して強豪とはいえないヘルタにあっては、原口は持ち前の運動量を守備面で生かすことを求められることが多い。ゴールゲッターの仕事ができない、納得のいかない状況が続くのは気の毒ではあるが、それをこの1年で、自らが望む状況に持っていくのもひとつのやり方だろう。

 今季、ヘルタはヨーロッパリーグに出場することが決まっている。いつもとレベルもサッカーのスタイルも違う相手との対戦は、原口にとっても刺激的なはずだ。そこで活躍することができれば、それはもちろんワールドカップにもつながるに違いない。もし今季、ヘルタでプレーすることになったとしても、決して悲観することはない。

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