小林祐希、待望のトップ下。
「守備をこなして、あとは好き勝手にやる」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 これまで味方に使われ続けてきた小林は、トップ下のポジションを得たことで、己がイニシアチブを握ってプレーを選択できるようになったのだ。

 16分のゴールシーンは、フォーレンダムの攻撃をしのいだヘーレンフェーンが前方に残っていた小林にボールを預けたところからスタートした。カウンターの2次攻撃から小林が起点となり、左サイドバックのDFカネル・カヴランからクロスが上がる。そのこぼれ球をゴール正面の至近距離で小林が拾い、ワンフェイクを入れてから左足を振り抜いてゴール右隅に決めた。

 味方のクロスに対して2メートル近い巨漢のFWヘンク・フェールマンがニアに走り込み、その裏を小林が狙う――。ふたりはこの動きを何度もフォーレンダム戦で繰り返していた。オランダ1年目のときには、ほとんど見られなかった動きだ。そして、そのうちの1回が16分のゴールに結びついた。

 ゴールシーン以外にも、特筆したいプレーがこの日の小林には2度あった。ひとつ目は21分、右サイドバックのDFドーク・シュミットから右ウイングバックのFMマルティン・ウーデゴールにパスが渡り、その隙に小林がフェールマンを追い越して相手ディフェンダーの裏へと飛び出したフリーランだ。

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