J首位セレッソを圧倒したセビージャ。「状態が悪くてもパスは回せる」 (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • 川森睦朗●撮影photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFPTPGRAFIA

 対するセレッソも終盤に反撃に転じる。80分にカウンターからリカルド・サントスが関口訓充とのワンツーで抜け出すと、最後はガラ空きのゴールに福満隆貴が押し込んで1点を返した。ホームのサポーターは歓喜し、同点に追いつくことを願ってチームをさらに後押ししたが、最後は相手GKのロングフィードから、ルイス・ムリエルにダメ押しの3点目を決められてしまった。

 試合後の会見で、セレッソのユン・ジョンファン監督は「学ぶところがたくさんあった。セビージャのコンディションはあまりよくなかったが、それにもかかわらず、ボールを持った時と持っていない時の質がすごく高かった。選手全員の連動性あるプレーがすごくよかったと思う。攻守の切り替えも早かった」と相手を称賛した。

 また、水沼宏太は「パスの質、動きの質に差を感じた。コンディションが上がっていなくても、『1、2歩動いて少し角度をつけるだけでパスは回していけるんだな』と、あらためてよくわかった。普段のリーグでは味わえないことが味わえたので、いい試合だったと思う」と、この試合で学習した点を明かしてくれた。

 多くの意味合いにおいて、セレッソにとっては悔しい結果だったはずだ。しかし、山村和也が言うように、「相手のいいところを参考」にして、今週末に控える浦和戦で成長した姿を見せられれば、大いに意義のある親善試合だったと言えるだろう。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る