2017.07.15

本田圭佑のメキシコでの幸運を祈る。
ミラン番記者が明かす3年半の真実

  • クリスティアーノ・ルイウ●文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳translation by Miyazaki Takashi

 財政難にあえぐクラブと、次々と代わる監督。負けが負けを呼ぶという負の連鎖に陥ったチームで迎えた2015-2016シーズン、シニシャ・ミハイロビッチ監督の指揮下でも本田は精彩を欠く。リーグ30戦に出場し、得点はわずかに「1」のみだった。

 このシーズンに、"かつてのライバル"であるユベントスの10番を背負ったポール・ポグバは、リーグ最多の12アシストを記録。同じく、ユベントスのエースとなったパウロ・ディバラは、リーグ2位の19ゴールを挙げている。彼らとの違いはあまりにも大きすぎた。
 
 2016年1月には、同じポジションのスソがジェノアへレンタル移籍し、左FWの地位を自らのものとするが、そのプレーの質は......。サン・シーロのゴール裏に陣取るティフォージ(熱狂的なファン)たちの、容赦のないブーイングがすべてを物語っていた。

 そんな中で、いわゆる普通のファンたちが本田に罵声を浴びせることは、試合を経るごとに少なくなっていった。もはや「現10番への期待は無意味だ」と、多くのファンが諦めにも似た想いを抱くようになっていたからだ。

 失望を抱く以外になかった試合は無数にあるが、2016年1月に行なわれた、イタリア杯(コッパ・イタリア)準決勝1stレグが特に印象深い。相手はアレッサンドリア。当時、セリエAでもBでもない、セリエC(3部)に属していたクラブである。その試合でミランは1−0の勝利を収めるも、当の10番はといえば、セリエBでの出場経験すらないDF(左SB)に封じられ、何もさせてもらえなかった。

 その試合を私たちミラニスタがどういう気持ちで見ていたか。もはや言葉にする必要はないだろう。