伝説の30m弾から15年。ルーニーとエバートンの、ほっこりする話 (5ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 今回の移籍が発表された後、ルーニーはエバートンの公式サイトのインタビューのなかで、「これは口外していなかったけど、実はこの13年間もエバートンのパジャマを着ていたんだ」とお茶目なコメントをしているが、その言葉どおり、今回の決断で両者の間に続いていた強い絆を改めて証明した。少なくとも、契約期間とされる2年間は続きそうだ。

 再起を誓って我がクラブに戻ったルーニーには、茨(いばら)の道が待っているかもしれない。ルーニーと同じ道を歩んでユースからステップアップしたトップ下の若きエースMFロス・バークリーとのポジション争いも含め、ロナルド・クーマン監督がスタメンの確約を与えているわけでもない。しかし、そんな状況下でも、ルーニーの表情には希望が満ちている。おそらくこの13年間で数々の経験を積んだぶん、その自信もあるのだろう。

 早熟の天才から、円熟の天才へ──。エバートンでの第2幕は、今シーズンのプレミアリーグの目玉となることは間違いなさそうだ。

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