「ファンID」さえあれば快適。ロシアでサッカー観戦を実践してみた (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 どうやらモスクワの景観対策により、力づくで取り壊されて街から追い出されてしまったらしい。おかげで街並みはスッキリしたかもしれないが、旅情は失われた。キオスクには何でも揃っていて、ロシア人にとっても観光客にとっても便利だった。ロシア語学習者にとっては「キオスクでいかにスムーズに買い物ができるか」が目標だったのだ。

 キオスクに代わって便利なのは「プラドゥークティ」というお店だ。これは街中至るところにあって、食べ物、飲み物、アルコール、タバコ、お店によっては花屋やビアバー備え付けのところもある。まさに「ロシア版のコンビニ」と言えそうだ。朝から夜まで営業しているところもあれば、土日は休みのところ、24時間営業のところと業態はさまざま。「Продукты(プラドゥークティ)」というキリル文字だけはぜひ覚えておこう。

 こうして2週間あまり、ロシアのコンフェデ杯を取材してみて感じたのは、「意外と旅費が安く済み、移動や滞在も快適だったな」ということ。しかし、とてもつらかったこともある。それがモスクワで「夏の雪」と呼ばれるポプラの綿毛。これがふわふわと街中を飛んでおり、人によっては花粉症のようにクシャミや涙が止まらなくなるのだ。8日間のモスクワ滞在中、たったひとりだけマスクをつけて歩いている人を見かけて、私はうらやましく思った。来年ワールドカップに行く人は、マスクを荷物に忍ばせていったほうがいいかもしれない。

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