訴訟、大ポカ、監督解任...。飛行機事故のシャペコエンセが再び苦境に (2ページ目)

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Getty Images

 5月中旬に始まった全国リーグでは、第4節まで3勝1分の快進撃で、クラブ創立以来初めて首位に立った。ところが、その後の7試合で1勝1分5敗と成績が急降下。第11節終了時点で、15位(20チーム中)まで順位を落としている。7月4日にはヴァグネル・マンシーニ監督が解任された。後任にはヴィニシウス・エウトロピオ(51)を招聘。エウトロピオは2000年から指導者の道に入り、2015年にシャペコエンセを率いたこともある。すでにシャペコ入りして練習を指揮しており、9日の試合から采配を振るうことになる。

 昨年、強豪を次々に倒して決勝まで勝ち上がり、飛行機事故のため決勝は中止されたが相手チームからの要請もあって優勝チームに認定されたコパ・スダメリカーナには、第2ステージ(ベスト32)から登場した。

 6月28日に行なわれたデフェンサ・イ・フスティシア(アルゼンチン)との第1レグ(アウェー)では、後半開始早々、ボランチが退場処分を受けて10人になり、その後は防戦一方。相手の猛攻を必死に耐え忍んでいたが、あろうことか残り1秒で失点して0-1で敗れた。ただし、決して勝てない相手ではなく、7月25日にホームで行なわれる第2レグで勝ち上がるチャンスは残っている。

 今季序盤に比べて成績が下降している最大の理由は、対戦相手から戦い方を徹底的に研究されているせいだろう。マンシーニ監督は今季、主として4-3-3のフォーメーションを採用してきた。中盤の守備を重視してボランチ3枚を並べるのだが、局面を打開できるプレーメーカーがおらず、攻撃がサイドに偏っている。

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