スペイン、ドイツに続く台頭国は?U-21欧州選手権に見る勢力図 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 スペインでは、すでにチャンピオンズリーグ決勝を経験しているMFサウル・ニゲス(アトレティコ・マドリード)をはじめ、チャンピオンズリーグにも出場しているDFエクトル・ベジェリン(アーセナル)、MFマルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)などが台頭してきているのに比べると、明らかに後れを取っている。

 もちろん、育成・強化に力を入れたからといって、毎年のように次々とタレントが現れるはずはない。スペインやドイツにしても、年代ごとに"当たり外れ"は間違いなくある。U-21ヨーロッパ選手権を例にとっても、今大会のドイツはマヌエル・ノイアー、メスト・エジルらを擁して優勝した、2009年当時のチームには見劣ったし、スペインにしてもイスコ、チアゴ・アルカンタラらを擁して優勝した、2013年当時のチームにはとても及ばなかった。

 その意味で言えば、イングランドも今後、2009年のドイツや2013年のスペインに匹敵する世代が現れるのかもしれないし、もしかすると、それは現U-20世代なのかもしれない。もう少し長い目で、イングランドに起きている変化を見ていく必要があるのだろう。

 育成・強化の充実を図りながらも、その成果を上に引き上げることの難しさを抱える。そんなイングランドがこれから先、A代表でどんな成果を残していくのだろうか。

 旧態依然とし、古臭ささえ感じられたイングランド・サッカーに見られる確かな変化。萌芽の今後に注目したい。

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