ドイツの若さ、チリの本気。コンフェデ決勝は勝者も敗者も美しかった (4ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 2014年のワールドカップ、2015年・2016年のコパ・アメリカに加え、チリは「もうひとつのコパ・アメリカ」とも呼ばれるワールドカップ南米予選を戦ってきている。中心選手がほぼ同じ顔ぶれということもあり、代表チームはまるでクラブチームのように意思疎通が取れており、戦術レベルも非常に高い。なかには、代表チームでのほうがパフォーマンスの高い選手も見受けられる。

 しかし、コンフェデ杯でのチリは疲労の色を隠せなかった。準決勝までの戦いを見ていると、前半の好パフォーマンスが後半になって落ちることが多々あった。決勝戦でも、1点を奪われたころから選手のポジショニングが間延びしてしまい、「ボールを止める・蹴る」というプレーですら信じられないミスを連発していた。

 長期間のハードスケジュール、シーズン終わりの疲労、そして準決勝ポルトガル戦での死闘(PK戦で勝利)がダメージとして蓄積していったのだろう。それでも決勝戦では、一度止まった足をふたたび動かし、フレッシュな交代選手を使って84分にはあわや同点ゴールというビッグチャンスも作った。チリの敢闘精神は、実に素晴らしかった。

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