ドイツの若さ、チリの本気。コンフェデ決勝は勝者も敗者も美しかった (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 6月6日に行なわれた親善試合のデンマーク戦(1-1)で立ち上がったこの即席チームは、およそ4週間でチームとして完成度を増していった。その短期間で、「好選手」だったMFユリアン・ドラクスラー(パリ・サンジェルマン)やMFレオン・ゴレツカ(シャルケ04)は「すごみのある選手」へと変貌。チームリーダーとしても頼もしい姿を見せるようになった。

 本気で優勝を目指すチリと、若手の成長を促(うなが)す場として活用するドイツ――。コンフェデ杯への取り組み方は180度、異なっていた。それでも、この大会でのパフォーマンスを振り返れば、ともに決勝進出にふさわしいチームだった。

 1-1の引き分けに終わったグループリーグでの戦いと同様に、試合序盤はチリのプレッシングとショートカウンターがドイツを圧倒し、チャンスに次ぐチャンスを迎えた。10日前の対戦では、開始6分でドイツの個人ミスを突いて先制ゴールを奪ったチリ。だが今回の決勝戦では、ドイツが割り切って守備に徹し、チリの序盤の猛攻を耐え切った。

 しかも20分、今度は逆にドイツがチリの個人ミスを誘ってゴールを奪うというお返し弾で先制。チリがようやく反撃を開始したのは、67分にFWアレクシス・サンチェス(アーセナル)が後半1本目のシュートを放ったあたりからだった。

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