レアル残留が濃厚も...C・ロナウドにブチ切れ移籍騒動が多発する背景 (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 毎シーズン、コンスタントに活躍するのは難しいのがサッカーというスポーツだ。その中で世界トップのパフォーマンスを続けていくためには、選手自身の日々のサッカーへの真摯な取り組みが絶対に欠かせない。C・ロナウドは練習場に一番早くに着き、練習後もコンディションを整えるためフィジカルトレーニングを行ない、パフォーマンスをキープするための健康的な食事にこだわり、飽くなき向上心を持って大好きなサッカーに取り組んでいる。

 だが、そんな陰に隠れた努力にスポットライトが当たることはない。メディアに取り上げられるのは得点という結果と、並の選手なら大した話題にもならないサッカーの中でよくあるラフなプレー。さらにサッカーとは関係ない収入や恋愛についてのスキャンダルな話題ばかりだ。

 レアル・マドリードが33度目のリーガ優勝を決めたマラガの地で、C・ロナウドは優勝に関する質問に答えようとミックスゾーンで記者ににこやかに応対した。

 だが、ある記者から聞かれたのは、前の試合のセルタ戦での相手選手との確執についてだった。するとその笑顔は消え、「自分のことをよく知らないのに、あることないことが悪意を持って話されている。まるで自分を犯罪者のように責めてくる」と、不満を露わにした。

 そのような精神状態のところにスペインの国税当局と検察当局による告発が追い打ちをかけた。スペイン国内で、判決がまだ出ないうちから犯罪者のレッテルが貼られたことで、我慢の限界を超えてしまったのだ。

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