バルセロナ新監督にチラつく「ベニテスの大失敗」との不吉な共通点 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 志向するサッカーは縦に速いダイレクトなサッカー。ジョゼップ・グアルディオラよりはルイス・エンリケのスタイルに近い戦いをする監督であり、リオネル・メッシ、ネイマール、ルイス・スアレスが共演する、バルセロナ自慢の3トップの破壊力が活きるサッカーを見せてくれるはずだ。

 ただし、それでも今回のバルベルデのバルセロナ監督就任には、レアル・マドリードの監督として失敗したラファ・ベニテスの面影がちらついてしまうところがある。

 バルトメウ会長の言う「クラブをよく知る」とは、バルベルデがバルセロナでプレーした経験があることを指しているが、それは1988から1990年までの2シーズンであり、27年も前のことである。当時は欧州の覇権を争うのではなく、レアル・マドリードに勝つことだけが絶対だった時代で、チームの立ち位置は全く異なる。

 ラファ・ベニテスもレアル・マドリードの下部組織で選手として12歳からプレーをし、レアル・マドリードBの監督を2年務めており、クラブのことをよく知る監督だった。

「下部組織を重用することができる」に関しては、アスレティック・ビルバオでの成功イメージが大きいのだろう。だがビルバオには、バスク純血主義をとり、バスク地方に関連する選手だけでチーム構成を行なっている特殊な台所事情がある。

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