インテル退団濃厚の長友佑都。イタリア人記者が6年半の功績を称える (3ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 2011年1月、長友はチェゼーナからインテルへと移籍してきた。4バックでも5バックでもプレーできる資質、高い身体能力、豊富な運動量、仕事に対する真摯な姿勢、スポーツマンらしい私生活、それらすべてが彼をインテルに呼びよせ、契約延長ももたらした。移籍して半年後にはコッパイタリア優勝も果たした。パレルモとの決勝戦では90分フルに戦って勝利に貢献している。

 インテルでの6年半の間に、長友はインテルのロッカールームの中心的存在ともなった。インテルに対する忠誠心からだけでなく、彼のフレンドリーな性格や、チームメイトへ惜しみなく力を貸すその態度が求心力となった。同時に、彼のイタリア語も目覚ましく上達していく。もちろん細かいニュアンスを説明するのは今も日本語のほうがいいようだが、それでもイタリア語をよく理解し、巧みに話す。

 ミスをしたナポリ戦の2日後も、長友はロッカールームでチームメイトに謝罪し、イタリア語で、「より一層精進し、決して同じようなミスは繰り返さない」と誓った。インテリスタはそんな彼の陰日向のない、常に全力を尽くすプレーを高く評価してきたものだ。

 しかし、長友の未来はミラノとは遠く離れた場所にありそうだ。インテルはDFの選手のほとんどを変えるつもりであり、確実に残ることがわかっているのはダニーロ・ダンブロージオだけだ。長友はおそらくイタリア国外に移籍し、インテルのEU外選手枠をひとつ空けることになるだろう。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る