攻撃陣の厚さ。レアルがユーベに大勝でCL2連覇を果たした要因 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsi Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 攻撃的な挑戦者(R・マドリード)が、守備的な強者(ユーベ)を下した一戦だ。その4シーズン後、ジダンは守備的な色を濃くしていったユーベから、攻撃的な色を強めていったR・マドリードに移籍。そして01~02シーズン、欧州一のタイトルに輝いた。以来、R・マドリード人として、サッカーに関わっている。こちらの水の方が合っているのだろう。

 イタリアとスペインの関係も逆転した。ミランが2連覇を達成した当時は、まさにイタリアの時代だった。サッカーも攻撃的だった。それが、サッカーが守備的に転じ、97~98シーズン、ユーベが決勝でR・マドリードに敗れると、スペインに逆転を許す。以来、状況は変わっていない。

 ユーベはイタリアの雄。セリエA6連覇中だ。しかしCLでは、14~15シーズンの決勝でバルサに完敗。今季もR・マドリードに、それ以上のスコアで完敗した。返り討ちに遭うように。相手の監督が元ユーベの選手として活躍したジダンだったというオチもつく。

 R・マドリードがリードする欧州の情勢は来季も健在。とすれば、R・マドリードの3連覇達成も現実味を帯びてくる。多彩なプレーが続々ピッチに現れる華々しいサッカー。誰かに止めてほしい気持ちが半分、もう少し見たい気持ち半分、なのである。

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