武藤嘉紀が振り返る今季の苦闘。「すべてうまくいく人生なんてない」 (4ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 その根底にあったのは、「自分ならできる」という自信だ。武藤は出場時間を与えられれば、必ず結果を残してきた。加入半年での7ゴール4アシストはもちろん、今季序盤も出場時間は短いながらゴールを奪っていた。そんな足跡が、武藤自身を支えていた。

「チームとしてもよくなかったですし、自分の動き云々というよりも、"ここでもらえれば取れる"というところに動いてもボールが来なかったり、チームと合わなかった。自分のプレーとコンディションが戻れば必ず点は取れると思っていましたし、正直、焦りはそんなになかったですね」

 来季はロシアW杯を控えた重要な1年になる。11月のW杯予選期間中にマインツのチーム練習への復帰を果たしたときも、3月に代表メンバーから外れたときも、武藤は日本代表への想いを口にしてきた。再び代表の一員として活躍するためには、ひとつひとつを地道に積み上げていくことが大事だと武藤は考えている。

「先を見据えすぎない。地に足をつけるじゃないですけど、目の前の1試合1試合に全力で取り組んで結果を出すことが、成長にも繋がると思います。大きな目標を掲げすぎないというのは自分のモットーでもあるので、コツコツとやっていかないといけないなと思います。

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