ブンデス日本人8選手の通信簿。
活躍が際立ったのはケルン大迫勇也

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

酒井高徳(ハンブルガーSV)

 出場33(先発29)、得点1、採点7。昨年11月、チームキャプテンに就任した。不調に陥ったチームへのカンフル剤として、指揮官マルクス・ギズドルに指名され、大々的な発表もされた。そんな期待に十分応えたシーズンとなった。一時は最下位に沈んでいたチームは粘り強く戦えるようになり、順位も上昇していった。

 ただし、降格圏を脱出したことで気が緩んだのか、ラスト5試合は再び残留争いに巻き込まれて苦戦した。最後はヴォルフスブルクとの直接対決を制して、ようやく残留を決めた。ピッチでどのドイツ人よりも熱く戦う姿は、見る者の胸を打った。両サイドバック、さらにはボランチと、複数ポジションをこなすが、もう少しプレーの安定感を向上させたいところではある。

武藤嘉紀(マインツ)

 出場19(先発10)、5得点、採点7。たび重なる負傷で離脱する期間も長かったが、効率のよい働きぶりが目立った。先発が10試合なのに5得点は、悪い数字ではない。与えられたポジションがどうであっても言い訳せず、前線での働きにこだわるのは、本人のメンタリティもあるが、マルティン・シュミット監督やチームメイトからの評価の証だ。とはいえ、ワンランク上のチームで戦うには、フォワードとしての強さ、得点力、さらに1列下がった場合の技術、器用さがほしい。来季こそ1シーズンを通しての活躍を見せる必要がある。

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