ついにデビューした「ブラジルの久保建英」はネイマールを超えるか (2ページ目)

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Getty Images

 これほどの逸材を欧州メガクラブが放っておくはずがない。バルセロナが移籍金3000万ユーロ(約38億円)を提示したが、宿敵レアル・マドリードが移籍金4500万ユーロ(約57億円)、年俸750万ユーロ(約9億4千万円)をオファーして逆転。今月初め、レアル・マドリードのドクターがリオを訪れてメディカルチェックの結果を確認し、「欧州クラブが外国人選手と契約可能な18歳になる来年7月の時点で移籍することで合意した」と報じられた。

 この時点ではまだトップチームでプレーしていなかったのだが、5月13日、全国リーグ開幕戦のアトレチコ・ミネイロ戦で初めてベンチ入り。後半、ピッチの横でウォーミングアップを始めると、スタンドの観衆が総立ちになった。

 そして82分、ついに交代出場。「ヴィニシウス」コールが起きる中、緊張した表情でピッチへ入ると、いつものように左タッチライン沿いに張る。それからアディショナル・タイムを含む12分間に、計6度のプレー機会があった。

 84分、自陣からのロングパスを受けたが、バウンドを合わせ損ねてトラップを失敗し、ボールはタッチラインを割る。85分、ショートパスを受け、右足でクロスを入れたが、味方の選手の頭の上を越えていく。86分にはサイドチェンジのパスを受けてドリブルで中へ入ると見せかけ、オーバーラップしてきた左SBに右足のヒールで渡そうとしたが、ボールが両足の間に絡まって失敗。

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