来日したミチェル・サルガドに聞くジダン、フィーゴ、そして故郷セルタ (3ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文text by Kurita Simei

──ジダン監督の就任後、チーム力は上昇したように感じますが。

「ジダンだからできることはたくさんあります。例えば、ベンチの雰囲気。レアルの選手は個性が強く、まとめるのはどんな監督でも一筋縄ではいきません。ただ、ジダンのように名声とカリスマ性がある若い監督なら、選手たちがリスペクトを込めて慕う。ベニテス前監督の解任が予想以上に早く、クラブとしてもジダン監督就任のプランが早まった形でしたが、今のところ成功を収めているといえます。カリスマ性で選手をけん引し、ロッカールームの雰囲気が格段によくなったことも、いい結果を残せている要因だと思います」

──現役時代、ジダンが名将になるという予感はありましたか?

「それはなかったですね。性格的にも、積極的に『指導者になりたい』というタイプではなかった。そういう意味では、少し驚きもあります」

──ジダンとは別の形でサルガドさんも指導に携わっていますが、そのレジェンドチームの一員でもあるフィーゴとは、レアル時代にどんなやりとりをしましたか?

「フィーゴはピッチの中でも外でも非常に強い個性を持った、まさにスーパースターでした。始めのうちは合わせるのが大変で(笑)。私も攻撃が好きなサイドバックだったこともあり、いいタイミングでオーバーラップを試みるんですが、まったくパスが来ない。正直、フラストレーションもありましたよ。

 でも、何度か言い合いをしていくうちに信頼関係を築けたことで連携が深まりました。フィーゴはある意味でドライな男ですが、意見をぶつけ合ったことで壁がなくなった。今でもいい友人のひとりですね」

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