試合後は声がガラガラ。情熱家・コンテ監督がチェルシーを戴冠に導く (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 そのアザールの背後で、中盤を支え続けたセントラルMFのエンゴロ・カンテの存在も見逃せない。守備に走るだけでなく、攻撃面でも貢献度が高かった中盤のダイナモは、ボール奪取と縦への推進力でアクセントをつけた。貢献度の高さは、プロサッカー選手協会(PFA)とイングランドサッカー記者協会(FWA)が選ぶ最優秀選手の「ダブル受賞」が動かぬ証拠だ。昨季はレスターを「奇跡の優勝」に導いた小柄なフランス代表MFは、チェルシーでも栄冠獲得の立役者となった。

 さらに、豊富な運動量でアップ&ダウンを繰り返し、攻守両面で活力を注入したビクター・モーゼスとマルコス・アロンソの両ウィングバック、3バックの中央部で最終ラインを統率したダビド・ルイス、得点源&前線の基準点として威力を発揮したジエゴ・コスタもリーグ優勝の功労者だろう。

 そんなチェルシーの強さの理由について、英紙『サンデー・タイムズ』で執筆するジョナサン・ノースクロフト記者は、「ジョゼ・モウリーニョ1次政権を彷彿とさせる力強さがあった。今季のチェルシーは、まるで精密機械のように機能した。自分たちが何をすべきか、選手たちはきちんと理解していた」と解説する。

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