8キロ増で鎧のような胸板。吉田麻也がプレミア仕様の体になっていた (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 あとは、プレミアリーグへの"慣れ"も大きい。身体の使い方とか、どういう風に当たればいいのか。どういうプレーがファウルになって、どういうのがファウルにならないのか。そういうのは勉強になっています」

 その3日後に行なわれたアーセナル戦でも、吉田は堅牢な守備でチームを支えていた。岡崎慎司のフィジカルコーチを務める杉本龍勇氏(法政大学教授)の指導を受けながら、アジリティを落とさずに鍛えてきた成果も見えた。

 象徴的だったのが18分のシーン。MFメスト・エジルが右サイドから入れたアーリークロスに対し、すばやく自陣へ戻って滑り込みながらブロック。ホームスタンドから大きな拍手と歓声が沸き起こると、FWアレクシス・サンチェスからの縦パスも軽やかにジャンプしてカットした。落ちついた守備で、吉田はCBとしての職務を的確にこなしていた。

 それでも、一瞬の隙を突かれてゴールを許した。

 サウサンプトンの中盤・後方部にスペースができ始めていた60分、ペナルティエリア内でパスを受けたサンチェスが右足を大きく振り上げた。CBの吉田とジャック・スティーブンスは身体ごとシュートコースを潰しにいったが、チリ代表FWは鋭く切り返し、ふたりを振り切って左足でネットを揺らした。

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