中国政府もチラつく、ミラン買収の真相。
新オーナーで来季はどうなる?

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 しかし、どんな規則にも抜け道はある。オーナーが交代した場合に限り、その運営が軌道に乗るまでの数年間(普通は3~5シーズン)、このルールから除外されるのだ。もちろんミランがこの除外対象に名乗りをあげたのは言うまでもない。

 ちなみにUEFAの主催するヨーロッパのカップ戦に出場せず、国内リーグだけを戦っているのならば、このルールは適用されない。しかしヨーロッパのカップ戦はワールドワイドな大きな舞台だし、そこで得られる賞金も無視できない。例えばチャンピオンズリーグで優勝すれば、そのクラブはUEFAから1億2000万ユーロの報奨金を得ることができるのだ。

 とにかくミランは新しいことでいっぱいだ。ミランが来シーズン、ヨーロッパリーグに出場できる可能性はかなり低くなってきたが、必要な選手を獲得し、ジャンルイジ・ドンナルンマを引き留めるためにどのくらいの資金が必要か、今、新オーナーは必死で計算しているところだろう。

 残念ながら来シーズンの生まれ変わったミランに、本田圭佑の姿を見ることはできないが――。

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