代表に「這い上がってやる」。
マインツ武藤嘉紀が泥臭いキャラになった

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「打ちたかったですね。手が完全に伸びてくるなと思っていたんですけど、そっち(ニア)に蹴るべきだった。チップ(キックみたいになった)というか、力みすぎたかなと思います」

 とはいえアウェーで勝ち点1を手にした。

「(結果をどう捉えるかは)難しいですね。やっぱり今日は緊張した一戦になりましたけど、そこでいつもと違うチーム(のやり方)で蹴ってしまって繋げなかった。そのサッカーを190センチ以上あるフィジカルの強いディフェンス相手に対してやってしまうと、自分たちとしては分が悪いかなという印象を受けますし。だけど最低限の結果だったんじゃないかなと。最低限の勝ち点1を取れたので、次のフランクフルトには勝ち切らないといけないなと思います」

 今季の武藤は、右膝の負傷で前半戦を棒に振った。昨季後半戦も同じ右膝のケガで第21節以降、出場はなく、復帰した矢先の再負傷だった。トータルすると半年以上の長期離脱を経験したが、今季後半戦に入ってからは2試合を除いてすべてに出場している。

 特筆すべきは、短時間の出場でも結果を残す決定力の高さだ。ここまで17試合出場で4得点しているのだが、現在、ブンデスリーガ全体で4得点しているのは22選手。その中で武藤は3番目に出場試合数が少ない。

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