クライファート息子も。アヤックスの若手を
伸ばす「裏の補強」システム

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 今季ひとり目の「裏の補強」の成功例は、U-19から昇格したFWカスパー・ドルベリ(19歳)だ。今季リーグ戦で14ゴールと大活躍するデンマーク人のドルベリは、ポストプレーやターンからのドリブルに秀でている規格外のストライカーである。

 ふたり目は、今年1月にリザーブチームから昇格したクライファートだ。この時期、アヤックスのトップチームはエル・ガジの放出やトラオレのアフリカ選手権出場が重なり、ウインガーのポジションが手薄になっていた。起用する順番でいえば、ヨング・アヤックスでのキャリアを十分に持つチェコ人のFWヴァーツラフ・チェルニー(19歳)の出番となるはずだった。しかし彼がそのタイミングに負傷中だったため、クライファートに白羽の矢が立ったのだ。

 かつての名ストライカーであるパトリック・クライファートを父に持つ当時17歳のFWは、トップチームでも緊張知らずのプレーで相手を翻弄し、たちまちアヤックスファンを熱狂させた。小柄で俊敏な動きが特徴的で、EL準々決勝・第2レグのシャルケ戦には先発で出場するなど、すでにクライファートは準レギュラーという地位にまでたどり着いている。

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