酒井高徳が語るブンデス残留争い。名門キャプテンとしての重責と試練 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 いつもの笑顔を見せる酒井に、先日のノーコメントについて、率直に切り出してみた。

「伝えることがないというわけでなく、反省しようもない試合だったというか。しゃべっても言葉に詰まるし、とりあえずあの瞬間はドイツ人記者にも話さなかったですけど、ひとりにしてほしかったというのがあって。わかってもらうのはちょっと難しいところがあると思いますけど、選手にも話したくないときがある」

 返答も率直だった。

 ホッフェンハイムに勝ったことで気が抜けて3連敗したのでは、というこちらの見立てを当ててみる。

「そうだと思いますよ。個人的にはそうですね......気が抜けてはいないつもりではあったけど、事実上抜けていたっていうのかな。残り6試合で、あと1試合でも勝てば(残留は)大丈夫だろうという安堵感みたいのもあったし、(試合内容も)うまくいっていたから、ここから崩れることはないだろうとみんなが思っていたから、なおさら安心感みたいなものが各自にあった。

 その気の緩みを1人が5パーセントずつくらい持ってしまって、合計すると試合では20パーセントになった感じ。ブンデスではその20パーセントで痛い目をみる......というのがチーム全体であったんじゃないかなと思うんです。

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