酒井高徳が語るブンデス残留争い。名門キャプテンとしての重責と試練

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 先週末のブンデスリーガ第31節、アウクスブルク対ハンブルガーSV戦は、残留を争う直接対決だった。試合はアウクスブルクが4-0と大勝。ハンブルガーはこれで3連敗となった。

 ハンブルガーのキャプテン、酒井高徳は、珍しくなんのコメントも残さずにスタジアムを後にした。目深にキャップをかぶり、うつむき気味に、「今日はコメントなしで」とでも言いたげに右手を低い位置で少し振った。

キャプテンとして報道陣の前に出る姿もさまになってきた酒井高徳キャプテンとして報道陣の前に出る姿もさまになってきた酒井高徳 これでハンブルガーの順位は入れ替えプレーオフ出場の16位に落ちた。試合後、電車で会ったハンブルガーサポーターは、「今日の出来事はフェイクだよ。あれは現実じゃなかったんだ」と、真面目な顔で話していた。

 勝ち点33で足踏みを続けるハンブルガー。下を見れば17位インゴルシュタットは勝ち点29、最下位ダルムシュタットは勝ち点24。ただし一方で上は14位マインツ、15位ヴォルフスブルクも同じ勝ち点33で、12位レバークーゼン(勝ち点36)あたりまではかなり間隔が詰まっている。

 このところ毎シーズン残留争いに巻き込まれながらも生き残ってきたハンブルガーだが、今季はそんなはずではなかった。

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