ユベントスとレアル。CL準決勝第1戦の勝因はサイドバックにあり (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 ユーベ対モナコの準決勝第2戦も、そこが見どころになる。モナコの左サイド対ユーベの右サイド。第1戦でユーベの完勝に終わったこの局地的な戦いが、今度はどう転ぶか。メンディは左サイドバックとして復帰することができるのか。2-0で折り返したユーベが勝ち上がる可能性は8割。モナコとしてはサイドバック問題の解決に加えて、奇襲を仕掛ける必要性も感じる。

 普通に戦っては勝ち目がない。ではどうするか。想起するのは2004~05シーズンの決勝で、ミラン相手に前半、0-3で折り返したリバプールだ。

 後半に臨むにあたり、時のリバプールの監督、ラファ・ベニテスは、それまでの4-2-3-1を中盤ダイヤモンド型の3-4-3(3-3-1-3)に変更。高い位置から猛然とプレスを掛ける作戦に出た。それが奏功。リバプールは0-3から3-3に持ち込み、延長、PK戦の末、まさかの優勝を飾った。

 ハーフタイム明けのミランが露呈したのが、残りの45分間、じっとしていればそれでいい、何もする必要がないというモチベーションの低さだった。

 相手のリバプールはミランに前評判で大きく劣っていた。立ち位置は、今回のモナコに似ている。捨てるものが何もない100%チャレンジャーで臨むことができる。それぞれの関係は、イスタンブールで行なわれた12年前の決勝戦に似ているのだ。

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