CLでアトレティコにレアルの壁。反逆者シメオネ、4度目の正直なるか (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 3年前の決勝ではアトレティコが後半ロスタイムまでリードしながら終了間際に同点とされ、延長で崩壊して1-4の敗北を喫し、一昨季は準々決勝で第2戦の終盤に決勝点を奪われて敗退。記憶に新しい昨季の決勝では、先制されながらもヤニック・カラスコのゴールで追いついたが、最後はPK戦で屈した。3度目の正直が叶わなかった選手とサポーターは大量の涙を流し、指揮官は結果を「運命」と表現して受け入れるほかなかった。

 ここ4シーズンで3度目のCLベスト4に入ったアトレティコを「小さな反乱軍」と呼ぶのは、あるいは適切ではないかもしれない。トップレベルで継続的に結果を残している点では、レアル、バルセロナ、バイエルンの現在の欧州3強に比肩する。

 しかしながら、この盟主たちが過去4シーズンで欧州制覇の称号を増やしている一方で、マドリードの赤白のチームは準優勝の数を3に伸ばしただけだ。また経営規模では、レアルとの間におよそ4億ユーロ(約487億円)もの差がある。ダビデとゴリアテ、一寸法師と鬼、そしてキューバとアメリカに例えても、大きな間違いではないだろう。

 アトレティコは今季のリーグ戦でも、レアルに1分1敗と勝てていない。つまり、過去3年間のCLと今季のリーガで一度も白星を奪えていない相手だ。加えて、レアルはCLで14試合無敗を継続している。果たしてアトレティコに勝機はあるのだろうか。

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