レアルが勝ちバルサが敗れたのはなぜか。CL準々決勝の明暗 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 岡崎慎司所属のレスターを静かに下したアトレティコ。やや苦戦気味だったとはいえ、このチームの自慢は対応力だ。強豪を相手にしても慌てない場慣れしたサッカーができる。バイエルンのような負け方はしない。R・マドリードはもとより、ユーベにとっても戦いにくい相手になる。

 未知の可能性を秘めているのは、ドルトムントを撃破したモナコだ。魅力という点では、2003~04シーズンに決勝進出を果たしたチームの上をゆく。ラダメル・ファルカオとキリアン・ムバッペという切れ味満点の2トップ。その下で構えるトーマス・レマー(左)、ベルナルド・シルバ(右)も、見ていて楽しい上質なアタッカーだ。

 そしてなにより、レオナルド・ジャルディム監督がすばらしい。今季のCLで采配を振るったポルトガル人監督は4人。ヨーロッパリーグにも5人いる。計9人は欧州最多だ。優秀な若手監督が続々誕生しているポルトガルだが、42歳のジャルディムもそのひとり。攻撃的で今日的。そして監督のみならずチームも若々しい。

 2014~15のCLではアーセナルを倒し準々決勝に進出。そこで、ユーベと白熱の大接戦を繰り広げた実績がある。今季の力はそれ以上。この4チームの中で下馬評は最も低いが、最も目を凝らしたくなるチーム。番狂わせが起きにくくなったCLに、新しい風を吹かすことができるか。

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