レアルが勝ちバルサが敗れたのはなぜか。CL準々決勝の明暗 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 一方、この天王山を制し、ブックメーカーから大本命に推されることになったR・マドリードだが、強いという印象は抱かない。耐えているうちにバイエルンが勝手に転んだ。そんな印象だ。

 この原稿は準決勝の組み合わせ抽選の前に書いているので、対戦相手は知る由もないが、1988~89、89~90のミラン以来、26年間現れていない2連覇への道のりは、3強のうちの2チームが舞台から消えたいまも険しい。予断を許さない状況にあると思う。

 決勝トーナメント1回戦の第2戦で、パリSGを0?4から逆転したバルサは、準々決勝の対ユベントス戦でも同様に、第1戦を終えて0-3という苦境に立たされた。

 バルサ対ユーベで想起するのは、3-1でバルサが勝利した2014~15のCLファイナルだ。ユーベはよく健闘したが、その時、両チームの力にはスコア以上の差があった。あと2、3回戦っても、ユーベは勝てそうもなかった。その時、2年後の準々決勝でユーベが第1戦を3-0でものにすることは、想像できなかった。さらにその第2戦で、守りを固める作戦に出なかったことも、想像の範疇を超えていた。

 バルサ61%対ユーベ39%。バルサは例によってボール支配率で上回ったが、この程度の差では、バルサらしさが発揮されたことにはならない。最低でも65%以上。70%を超えるぐらい一方的な展開にならないと逆転は難しい。そう見ていたが、結果は61%。それを下回った。

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