曲者アトレティコの高い壁。レスター岡崎慎司、0-1ならば「御の字」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 しかも、敵を捕まえられそうになっても、まるで闘牛士のようにひらりとプレスをかわされ、レスターのストロングポイントは見事に打ち消されていた。レスターが「自陣に引いた」というより、アトレティコに「引かされてしまった」。そんな試合だったように思う。

 こうなると、岡崎も難しさが増す。「ディフェンシブ・フォワード」として岡崎が前方からプレスをかけ、敵のパス精度が落ちたところをチームの後方部で刈り取るのが、レスターの理想型である。しかし、プレスがうまくかからないと、岡崎の献身的な走りも効果が一気に薄まる。

 しかも、センターフォワードの位置から中盤まで頻繁に降りてチャンスに絡んでいた相手FWアントワーヌ・グリーズマンへの対応策も必要だった。

 それゆえ、前半だけでFWの岡崎を引っ込め、後半開始時からMFのアンディ・キングを起用した。システムも「4-4-2」から、中盤を厚くした「4-1-4-1」に変更。おかげで、後半はグリーズマンの怖さを最小限に抑え、0-1のまま第1レグを終えることに成功した。試合内容を考えれば、第1レグの結果に悔しさを感じているのはアトレティコのほうだろう。

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