厳戒護送される香川真司。
ゴールはしたが、試合をやるべきだったのか

  • 了戒美子●文text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「本当に無力だと感じた。我々がまだバスにいるのに、ケガをしたバルトラは連れていかれた。そしてニヨン(スイスにあるUEFA本部)から決定を聞かされた。いい気分ではなかったよ。(試合まで)もっと時間があればと思った」(トゥヘル)

「僕たちは動物ではなく、人間だ。今まだ生きていることを幸運に思う。頭の中に試合について考えるスペースなんてなかった」(ソクラティス)

「いつものようにフリーにプレーできなかった。昨日、多くの選手はよく眠れなかった」(ユリアン・ヴァイグル)

「僕たちは人間だ。昨日のようなことは誰も望んでいない。帰宅して妻と息子の顔を見た時にとてもラッキーだと思ったんだ」(シャヒン)

 シーズン終盤に入り、ただでさえ強豪チームの試合日程は過密である。わずか1日の順延という決定は致し方のないことだったのかもしれないが、トゥヘルや選手たちの言い分も当然だろう。

 残酷なことに時間は進む。ドルトムントは週末にフランクフルト戦があり、来週にはアウェー、モナコでの第2戦を控える。結果を手にすることが精神的なリカバリーにつながることもあるだろう。何とか立て直して、残りのシーズンを充実したものにしてほしいと願うばかりである。


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