厳戒護送される香川真司。ゴールはしたが、試合をやるべきだったのか (3ページ目)

  • 了戒美子●文text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ドルトムントはその後1失点を許してしまうが、84分、今度は香川がゴールを挙げる。右サイドからの  シャヒンのクロスを右足で合わせ、ディフェンダーと駆け引きをしながら抜け出し、左足のシュートでネットを揺らした。試合はそのまま2-3で終了。香川のゴールで第2戦に望みをつないだとも言えるが、アウェーゴールを考えると厳しい結果かもしれない。

 試合後、香川が取材に応じることはなかった。前日にチームバスが狙われたことから、帰りは警察の主導により手配された車に乗り、どこかの地点でチームバスに乗り換えて帰宅するとチーム広報は説明した。主将のマルセル・シュメルツァーら、限られた選手だけが取材に対応するということだった。香川は乗せられた車の窓を開けると、「行かなきゃいけないみたい。ごめん」と、心底申し訳なさそうな仕草を見せた。試合のことか、自身のプレーのことか、あるいは今回の事件のことか。話せることはたくさんあったのかもしれない。

 一方、トゥヘルや発言機会のあった選手たちは正面からUEFAを批判している。UEFA公式サイトにコメントはなく、ドルトムントの公式サイトではやわらかな表現にまとめられているが、ビルト紙によると、12日の18時45分キックオフと決まったところから、彼らの不満は始まったという。

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