柴崎岳の現状は3枚目のカード。それでもテネリフェに残る方法はある (4ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi Photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 だが、可能性もある。

 それはチームがプレーオフ進出をほぼ手中に収めていることだ。さらに1部への自動昇格は2位までだが、ジローナとの勝ち点差は4月8日時点で勝ち点5と、決して手の届かない差ではない。

 自動昇格が決まれば柴崎とテネリフェの契約は延長されることになっており、新シーズンは、プレシーズンからチームとともにスタートを切ることができる。本人のコメントがないため本心がどこにあるのかはわからないが、柴崎にとってはベターなシーズンの終わり方のはずだ。

 自動昇格を逃したとしても、6月のプレーオフでチームを1部に昇格させることができれば、最高のアピールになる。結果を出さなければいけない残り9試合ではなく、大事な決戦にむけての準備として9試合が残っているとも考えることはできる。

 繰り返すが、柴崎の現状は決して周囲が思うほど楽観できるものではない。それでもクラブW杯でレアル・マドリードを苦しめた才能豊かな選手である。テネリフェの人々は柴崎にそんな期待をかけ、ともに1部に昇格することを夢見ている。


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