柴崎岳の現状は3枚目のカード。それでもテネリフェに残る方法はある (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi Photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 だが、その戦いは決して簡単なものではない。レウス戦でのデビュー以降の柴崎の起用からいえば、柴崎のチーム内でのポジションは決して高くはない。マルティー監督は初招集のヘタフェ戦、そしてカディス戦後の記者会見で気になるコメントを残している。

「今日のような激しいリズムの試合でデビューをさせるのは得策ではなかった。テネリフェにはいいパフォーマンスを見せている選手たちが17~18人いるし、試合に出るのは簡単ではない」(ヘタフェ戦)

「まだリーガの激しいリズムに柴崎は適応できていない。投入のタイミングは難しい」(カディス戦)

 マジョルカ時代、家長昭博とともにプレーをしたことのある監督は、日本人選手が高い技術を持ち合わせていることを知っている。だが、その技術を試合の中で活かすことができると現時点で確信することができていないのだろう。

 それを象徴するように、先発出場を果たした前節オビエド戦では、ボールをロストしても修正ができるサイドで柴崎を起用。ラージョ戦はトップ下でプレーさせたが、出場は相手選手も足が動かなくなっている終盤。時間はロスタイムを合わせても約15分というものだった。

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