トップクラブのスカウト陣が舌なめずり。CL8強で注目の若手3選手 (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

MFウィルフレッド・エンディディ(20歳)
レスター/ナイジェリア代表

 エンゴロ・カンテが抜けた穴――。それは今季のレスターを悩ませる最大の欠陥だったが、冬にベルギーのヘンクから加入したナイジェリア代表MFの存在によって、そのテーマが論じられる機会は減った。

厳密には、チームが昨季の姿を取り戻したのは、クラウディオ・ラニエリ監督が解任された後であるため、エンディディの加入がチームの復調の主因とは言えないかもしれない。しかし、推定1700万ポンド(約23億5000万円)で加わった守備的MFが即座に中盤の一角でレギュラーとなり、不安定だった中盤に強さとダイナミズムをもたらしたことは間違いない。

 少年時代に元ナイジェリア代表のビクター・イクペバから「とんでもない才能」と太鼓判を押された逸材は、18歳で渡欧してヘンクに入団。実質1年目の昨季は中盤の底でレギュラーとして活躍し、今季は主力に成長していた。そんなところに、データを活用して隠れた才能を見出すレスターのスカウトが目をつけたのだ。

 長い足と大柄な身体を利した巧みな守備で中盤を引き締め、30節のストーク戦で強烈なミドルを決めたように破壊力満点の右足も兼備。その入団後初得点について、「すごいゴールだったね。でも彼にそうした能力が備わっていることはわかっていたよ」とクレイグ・シェイクスピア監督は話した。

「(エンディディは)まだ若いから、余計な重圧はかけたくない。謙虚なパーソナリティはカンテにも通じるところがあるね」と新指揮官が期待する20歳が、アトレティコ・マドリードとの激しい中盤のバトルで鍵を握るはずだ。

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