トップクラブのスカウト陣が舌なめずり。CL8強で注目の若手3選手 (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 頭部の負傷で戦列を離れた時期もあったが、その後も国内リーグで結果を残し続け、先のチャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16では欧州中を驚かせた。ペップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティから2試合連続ゴールを奪い、財政規模では太刀打ちできない相手を下して8強入り。その9日後には、W杯予選のルクセンブルク戦でフランス代表にもデビューしている(同代表史上2番目の若さ)。

 今ではCLで直接敗れたシティを筆頭に、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、レアル・マドリード、パリ・サンジェルマンなど、多くのビッグクラブがムバッペの獲得を真剣に検討している。スペイン紙『AS』は3月下旬、「レアル・マドリードの来夏最大のターゲット。イングランドのあるクラブは9600万ポンド(約133億円)のオファーを断られた」と報じた。

 ピッチ上の彼は、群を抜くスピードと加速力、ゴール前での落ち着きと決定力で観衆の目を奪う。そのプレースタイルと出自から、アーセン・ベンゲルを始め、「アンリ2世」と称する人は多いが、個人的には元ブラジル代表のロナウドの若かりし頃に近い気がする。「フェノーメノ(怪物・超常現象)」――かつて坊主頭のブラジル人に向けられた賞賛のフレーズが奇しくも今、キリアン・ムバッペを表現する際に使われているように。

 モナコにはその他にも、21歳のトマ・レマール、22歳のバンジャマン・メンディ、ティエムエ・バカヨコ、ベルナルド・シウバ、23歳のファビーニョがレギュラーに名を連ねており、本拠地ルイ2世スタジアムにはトップクラブのスカウトが軒並み集まっているそうだ。

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