内田篤人、2年ぶり90分間出場。「1日たっても痛くないのが嬉しい」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 千葉格/アフロ●写真 photo by Chiba Itaru/AFLO

 その間、練習に参加したい内田と、慎重なメディカルスタッフは戦いのような日々を送った。「痛いけどできる。これまでならやってきたレベルの痛み」と内田が言えば、「いや、今週は我慢してくれ。来週からは練習に参加していいから」とスタッフに言われる。そんな押し問答の日々が続いた。公式戦にスタメンでメンバー入りしたが、泣く泣く諦めたこともあった。

 ハノーファー戦の90分出場は、指揮官からの要求に内田の身体がようやく追いついたということでもあった。

「スタッフもみんな『よかったねー』と言ってくれた。監督もコーチもクオリティを知ってくれているみたいで『ウッシーは身体さえ戻れば実力はあるから。わかっているよ』という感じだった」

 実際にプレーしたことで信頼関係を現実のものとして感じることができた。そんな口ぶりだった。試合自体は若手主体のメンバーによるもの。コンビネーションやプレーの内容をとやかくいうより、何よりも内田にとっては「90分間」に意味があった。

「18歳の名前も知らない選手が出ている試合で、相手に結構、裏を取られちゃったり。ボールを取られてカウンター、というのもあったし、高い位置にいけなかった。試合展開的にもガンガンいくって感じじゃなくて」

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