マルセイユで不動のレギュラー。酒井宏樹は「ハリル戦術がよくわかる」 (3ページ目)

  • 小川由紀子●文・写真 text & photo by Ogawa Yukiko


「前は1対1のときも相手との距離を遠くとっていましたけど、なるべく近くして、ゴールから遠い位置だったら、ファウルして止めるようにしています。それか人数が揃っていたら、僕がガッといって、相手が抜いたところを他の選手が止める、というようにして」

 そういったプレーがフランスサッカーでよく言われるところの「Duel(デュエル)」「対人バトル」だ。Duel に勝つのが良い選手の証(あかし)とされ、特にディフェンダーに求められるのもこのデュエルでの強さ。ハリル監督も日本代表に対してこの言葉をよく使う。

「こちらに来てからJリーグの試合を見ていて思うんですけど、たとえば(齋藤)学はドリブルが相当うまいですけど、レッズとの開幕戦でも学がポンとパスをするだけで、他の選手がペナルティエリアの近くですぐにシュートを打てる状況になっていた。ああいう場合、こちらならもっとハーフラインの近くで(ボールホルダーに)ガッといっている。下がることで相手に選択肢を与えることになるから、そういう守備の仕方は絶対にしないんです。そういった『絶対とってやるぞ!』というのが、僕を含めた選手たちから感じられないから、ハリル監督は1対1を、とかなり言うんだと思います」

 ハリル監督からはよく「正直すぎる」「気持ちが弱い」と言われるという酒井は、こちらに来てチームメイトからも「今日くらい行ってもいいぞ」「もっともっと行け」などとアグレッシブさの面でアドバイスを受けて、自分でもそれを自覚したという。

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