「長谷部、ケガで離脱」と聞かされた
酒井高徳が語る日本代表への自信

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 過去に一度も2部降格をしていないチームのあまりの状況に、カンフル剤的に注入された刺激が酒井の主将就任だったというわけだ。その後の15試合は7勝4分4敗。勝点は27まで伸びた。順位こそまだプレーオフ行きの16位だが、17位インゴルシュタットは勝ち点19と引き離しており、上を見れば10位レバークーゼンが勝ち点31と詰まっている。

 ちなみにフランクフルトのニコ・コバチ監督は、開幕当初から目標として最低限の勝ち点を40としており、長谷部は「残留ラインということだと思います」と語っていた。まだ安心できる状況ではないが、ハンブルガーSVはこの数字をとらえつつある。
 
 酒井は主将就任の頃から、両サイドバックだけでなくボランチでの起用も増え始めた。ボランチで主将の長谷部が負傷で日本代表離脱となると、酒井もその代役候補のひとりとなるのだろうか。

「いつも言ってるけど、絶対ないと思ってます。ないと100パーセント言えるけど、仮にあったときは、その準備もしっかりしたいと思う。(「ボランチでの出場の可能性は?」という質問は)ハセさんと比べられているのが丸見えなので、そうやって本職じゃないところで比べられるのはちょっと理にかなっていないなと。でも自分のやれる仕事、任せられた仕事をやろうと思っています」というのが、フランクフルト戦後の酒井の回答だった。

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