バルセロナと岡崎慎司。CL史に残る
ビックリ仰天劇を起こしたもの

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 昨季の今ごろ、2連覇を狙うバルサには危うい空気が流れていた。実際、準々決勝でアトレティコに敗れてしまったのだが、その大きな要素のひとつとして挙げられるのが、マンネリ感。新鮮味の欠如だ。

 優勝した翌シーズン、チームを改造するチームは少ない。しにくいものだ。今季のR・マドリードしかり。昨季と同じ名前が並ぶ。ガレス・ベイルが負傷している間、ルーカス・バスケスがスタメンを張ったが、ベイルの復帰とともに昨季とお馴染みの顔ぶれに落ち着いた。危ないムードを感じる。

 バルサも似た傾向を抱えるが、R・マドリードほどではない。大逆転劇の余韻も残る。終盤さらに加速する可能性を秘めている。

 変化が一番あるのはバイエルン。監督がジョゼップ・グアルディオラからカルロ・アンチェロッティに代わったため、価値観が微妙に変化。それは出場する選手の顔ぶれにも微妙な変化をもたらしている。チームはいい感じにある。

 昨季まで、そのバイエルンで監督を務めていたグアルディオラは、マンチェスター・シティの監督として臨んだ今季、決勝T1回戦でモナコに敗れ、ベスト8入りを逃した。驚くべき敗戦ではなかった。マンCの印象をひと言でいえば、強くないチーム。グアルディオラらしい特別な何かも感じなかった。

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