岡崎慎司も闘犬になりセビージャ撃破。
「おとぎ話」に続編があった!

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 このアプローチに警鐘を鳴らしたのが、元イングランド代表DFで現在は解説者を務めるダニー・ミルズである。

 第1レグのスコアは1-2。敵地で貴重なアウェーゴールを奪ったことで、第2レグを1-0で勝利すればレスターの勝ち抜けが決まる。そのため、生中継を行なっていた英ラジオ局『BBCラジオ5ライブ』で、次のように忠告していた。

「レスターは『1ゴールを奪えば十分』ということを思い出すべき。攻め急ぐ必要はまったくない。プレーのスピードを緩め、失点しないよう注意したい。パリ・サンジェルマンとの第2レグで4~5点を必要としたバルセロナとは、まったく状況が異なる。レスターはハーフタイムを0-0で折り返し、終盤に1点を獲ればいい。セビージャが前に出てきたところを、カウンターでつけばいいはずだ」

 だが、ミルズの指摘とレスターが見せていたサッカーは、まったくの正反対であった。自陣深い位置にこもることなく、プレスで前に出て敵を捕まえに行く。そのため、セビージャにカウンター攻撃を受けることもあったが、レスターの選手たちからは、むしろ「これでいい」という揺るぎない自信と覚悟が伝わってきた。

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