リバプールのプレミア最多得点を演出する「ニセ9番」のフィルミーノ (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 クロップいわく、「フィルミーノは周囲と連係が上手にとれ、ゴールを奪うこともできる。技術力も高い」。CFながら最前線・中央の位置にとどまることはなく、中盤まで下降したり、ワイドエリアに移動したりと、とにかく忙しく走り回って味方のパスを引き出す。

 ここで肝になるのが、FWサディオ・マネやFWフィリッペ・コウチーニョといった両翼の動き。フィルミーノが空けた最前線・中央のスペースへ斜めに走り込んでスルーパスを引き出したり、彼の動きに釣られた相手センターバックの背後を突いたりすることで、局面打開を図るのだ。コウチーニョにいたっては、サイドから中央部へ位置を絞ることで得意のミドルシュートも放つ。

 この前線3人だけでなく、MFアダム・ララーナやMFジョルジニオ・ワイナルドゥムといったインサイドハーフも有機的に絡んでくる。

 フィルミーノが中盤まで下がれば、MFのワイナルドゥムが最前線のスペースへ突っ走る。あるいは、サイドのスペースに流れたフィルミーノがタメを作れば、スピードスターのマネがペナルティエリア内へ走り込む。こうしたポジション域にとらわれないフリーランが随所に生まれることで、ダイナミック、かつ分厚いアタックが可能になっているのだ。その引き金になっているのが、ピッチを幅広く動くフィルミーノに他ならない。

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