リバプールのプレミア最多得点を演出する「ニセ9番」のフィルミーノ

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 ユルゲン・クロップ監督率いるリバプールで、戦術上のキーマンとして機能しているのがブラジル代表のFWロベルト・フィルミーノだ。

クロップ政権のキーマン、ロベルト・フィルミーノ(左)クロップ政権のキーマン、ロベルト・フィルミーノ(左) 4-3-3のセンターフォワード(CF)、いわゆるストライカーの位置でプレーしているが、その役割は典型的な9番とはまったく異なる。いわゆる「偽9番」として攻撃のあらゆる局面に顔を出し、リバプールの流動的なアタックで大きな役割を果たしているのだ。その貢献度は極めて高く、クロップサッカーの要人といっても過言ではないだろう。

 本来フィルミーノは、トップ下やサイドMFといった中盤を主戦場としてきた。ブレンダン・ロジャース前政権時代の2015年にリバプール入りが決まった際も、当時CFを務めたクリスティアン・ベンテケ(現クリスタル・パレス)にラストパスを供給するトップ下として活躍が期待されていた。しかし、プレミアの水になかなか馴染めず、入団当初はベンチスタートの日々が続いた。

 そんな彼にとって、クロップのリバプール監督就任が転機となる。2015年10月にドイツ人指揮官がやって来ると、ブンデスリーガのホッフェンハイム在籍時代から「注目していた」というフィルミーノを、CFとして先発起用するようになったのだ。

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