バッカの夕食会を楽しむ本田圭佑。最後にミラニスタにいい思い出を (3ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 そのため本田のミランでの通算成績は89試合、10ゴールで止まったままだ。本田もこの数字には満足がいかないだろうが、それでも彼のプロ精神に傷がつくものではない。

 彼の胸中までは知ることができないが、それでも少なくとも我々の目には、本田は日々落ち着いて、懸命に練習に励んでいるように映る。ミラネッロにやって来るのも相変わらず最初で、ピッチを後にするのも最後だ。そして何より驚くべきことは、これほどプレーをさせてもらえなくても、ミラネッロで見せる本田の表情はとても明るいということだ。

 特別に誰と仲がいいというのはないが(強いて言えばイタリア人選手たちと一緒にいることが多いかもしれない)、皆と冗談を言い合い、笑い合っている。これまでのシーズンに比べると、明らかにチームに溶け込んでいるといった感じがする。おそらくイタリア語が上達したことも大きく関係しているのだろう。

 先日、カルロス・バッカが主催した、チーム全員が出席した夕食会でも、皆とはしゃぐ本田の姿が見られたという。ただ、彼がしゃべるのはほとんどチーム内の人間に限られており、メディアやサポーターに向けてはまだ習得したイタリア語をあまり使っていない。このことは残念だ。

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