ベンゲル政権「終わりの始まり」。変われないアーセナルがCLで惨敗 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 プレミアリーグでもアーセナルは苦戦が続き、現在の順位は暫定5位。首位チェルシーとは16ポイント差で、すでに優勝戦線から脱落している。来季チャンピオンズリーグ出場権が得られる4位圏も安泰ではない状況だ。

 しかも、試合前にはピッチ外でもメディアを賑わせた。主役は、得点源のFWアレクシス・サンチェス。練習でチームメイトと衝突し、規律違反の処分により3月4日に行なわれたリバプール戦でベンチ行きを命じられたという。このチリ代表FWとともに、「戦力補強」と「給与アップ」を要求しているMFメスト・エジルも契約更新に応じておらず、両者は今季限りでの退団が噂されている。

 こうしたタイミングで、バイエルンに完膚なきまでに叩きのめされた。コシールニーの退場処分が厳しい判定であったのは確かだが、ひとり少なくなってからの失速は目に余るものだったことも事実である。今回の惨敗を受け、今季限りでクラブとの契約が満了するベンゲル監督の去就を巡る報道が、さらに過熱するのは間違いないだろう。

 なにより気がかりなのは、英テレビ局『スカイスポーツ』で「Same Old Story(いつものよくある話)」と皮肉を込めて伝えられたように、近年のアーセナルは毎回まったく同じような道を辿ってシーズンを終えていることである。先述したように、CLでベスト16の壁を破れなかったのは、今回で7季連続。プレミアリーグでも秋から冬にかけて失速し、優勝戦線から脱落していくのがパターンだ。

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